人工芝と天然芝、虫が出にくいのはどっち?後悔しない芝選びの決め手  

「庭に芝生を敷きたいけど、虫が湧くのが心配」——そんな不安から芝生化をためらっている人は少なくありません。特に小さなお子さんやペットがいる家庭、学校や公園といった多くの人が利用する場所では、虫による衛生や安全のリスクが気になるものです。芝生には「人工芝」と「天然芝」の2種類がありますが、見た目や価格だけでなく、「虫の出やすさ」という点でも大きな違いがあります。


この記事では、「虫」という不快なトラブルを避けながら芝生を選ぶために、人工芝と天然芝の特性を比較し、それぞれのリスクと対策を整理します。導入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、正しい知識と判断軸を持つことが何より大切です。芝を検討中の方は、まず“虫の目線”で考えることで、本当に自分に合った選択が見えてくるはずです。




虫はなぜ芝生に集まる?見落とされがちな発生要因

芝生に虫が発生しやすいのには、いくつかの理由があります。最も大きな要因は、湿った土壌や落ち葉など「虫が好む環境」が自然と整いやすい点です。天然芝では、地中に適度な湿気と有機物があり、コガネムシの幼虫やムカデ、ダンゴムシといった土壌性の虫が住みつきやすくなります。刈り草や葉が溜まりやすくなると、さらに虫の温床になりやすくなるのです。


加えて、日陰が多い庭や風通しが悪い場所では、湿度がこもりがちで、虫にとって快適な環境が維持されやすくなります。芝の背丈が高くなると通気性が悪くなり、虫が隠れやすくなるという点も見落とせません。さらに、有機肥料の使用や水やりの過多など、手入れの仕方次第で虫の増加を招いてしまうこともあります。


逆に言えば、通気性や日当たりを確保し、落ち葉や雑草を放置しない管理を行えば、虫の発生はある程度抑えられるということでもあります。虫の出やすさは芝の種類だけでなく、「環境と手入れの仕方」が大きく影響しているのです。




人工芝と天然芝、虫に強いのはどっち?徹底比較で見える真実

人工芝と天然芝では、虫の発生状況に明確な違いがあります。結論から言えば、「人工芝のほうが虫は出にくい」です。理由は明確で、人工芝の下には防草シートを敷くのが基本となっており、虫が好む土や湿気に直接触れられない構造になっているからです。また、人工芝自体が虫の食料になることはなく、繊維のすき間にもほとんど潜り込めません。


一方、天然芝は生きた植物であり、根や葉が虫の栄養源になり得ます。さらに、芝の下には湿った土壌があり、虫が巣を作るには好都合です。特に管理が行き届いていない場合、虫の発生率は高くなる傾向があります。


ただし、人工芝にも弱点はあります。防草シートの施工が不十分だったり、人工芝の継ぎ目から土が露出していると、そこに虫が入り込むことも。また、落ち葉や食べこぼしを放置すれば、虫を呼び寄せてしまう点は天然芝と同様です。


「虫が苦手」「小さな子どもがいるので安心な芝にしたい」という方には、人工芝のほうが適していますが、どちらを選んでも正しく施工し、管理を怠らないことが最も効果的な虫対策です。




虫が出にくい芝生をつくるには?環境づくりと施工の工夫がカギ


虫の出やすさは芝の種類だけでなく、「どう施工し、どんな環境を保つか」によっても大きく変わります。まず重要なのが地面の処理です。人工芝を敷く場合、防草シートの品質や敷き方によって虫の侵入を防ぐ効果が大きく異なります。隙間があると、そこから土壌にアクセスされ、虫の温床となる可能性があります。接合部の隙間や端部の処理も、長く衛生的に保つには見逃せません。


天然芝の場合は、芝刈りや施肥、水やりの頻度が虫の発生に直結します。水をやりすぎれば土壌が常に湿り、ムカデやナメクジの温床に。逆に乾燥させすぎると芝が弱り、害虫に抵抗できなくなります。日照や風通しが悪い場所では、芝の種類そのものを変えるか、そもそも人工芝に切り替える判断も必要です。


また、虫の発生は季節や天候によっても変動するため、一時的な発生に過敏になりすぎず、長期的に見て「どちらの管理が自分に合っているか」を基準に選ぶことが重要です。虫が気になる方は、施工前に施工業者に防虫観点でのアドバイスを求めるのも有効です。




後悔しないために知っておきたい、よくある失敗と対策例


芝生導入後に「こんなはずじゃなかった」と感じる人の多くは、虫対策を甘く見ていたか、施工や環境づくりが不十分だったケースです。たとえば、天然芝で芝刈りや除草を怠った結果、害虫が繁殖して家の中にまで入り込んだという事例もあります。また、人工芝でも、排水処理が甘くて水が溜まり、蚊が発生しやすくなったという失敗例も見られます。


虫の問題は一度起きると心理的な負担が大きく、「せっかく整備したのに使うのが嫌になる」という状況を招くことも。そのためには、施工前に管理方法を具体的にイメージしておくことが大切です。天然芝なら年間何回芝刈りをするか、肥料はどうするか、虫が出たときにどう対応するかを計画に組み込んでおくべきです。


また、人工芝も“メンテナンス不要”ではありません。落ち葉掃除や表面の洗浄、防草シートの状態確認といった基本的な手入れは必要です。業者に依頼する際は、施工後の管理アドバイスやメンテナンス対応についても確認し、長く使える芝環境を築きましょう。

季鋏造園土木のサービス紹介ページを見る




迷ったら、“虫の少ない未来”から逆算しよう


芝生は見た目の美しさだけでなく、暮らしの快適さや衛生面にも影響を与える存在です。虫の出やすさを考えると、人工芝が安心な選択肢になりますが、環境や使い方によっては天然芝が適しているケースもあります。大切なのは「どちらが虫が出にくいか」だけでなく、「自分の暮らしに合っているかどうか」です。


迷ったら、まずはプロに相談し、設置環境や使い方に合った芝選びをしてみてください。

ご相談・お問い合わせはこちら