グラウンドを芝生化するメリットとは?天然芝・人工芝の選び方と導入手順

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学校や公園、地域の運動施設などで「グラウンドを芝生にしたい」という声が増えています。見た目が良くなるだけでなく、子どもたちの安全性や夏場の暑さ対策にも効果があるため、特に教育現場や自治体での関心が高まっています。しかし、芝生とひと口に言っても、「天然芝」と「人工芝」では特徴や管理の手間が大きく異なります。初期費用、耐久性、日々のメンテナンス体制など、事前に知っておくべきことは意外と多く、「どちらを選べばいいのか分からない」と迷う方も少なくありません。この記事では、グラウンドを芝生化するメリットと注意点を整理しつつ、天然芝と人工芝それぞれの特性や導入の流れ、現場での事例までを丁寧に解説していきます。導入前の不安や疑問を少しでも減らし、実現可能な選択肢を見つけるヒントになれば幸いです。




なぜ今、グラウンドの芝生化が求められているのか

近年、全国の学校や公共施設で「グラウンドの芝生化」を検討する動きが活発になっています。その背景には、暑さ対策や安全性の確保、地域の景観向上といった複数の目的があります。特に夏場の熱中症リスクは深刻で、アスファルトや土のグラウンドでは表面温度が60度以上に達することもあります。これに対して芝生は、太陽光を反射せず温度上昇を抑える性質があり、裸足でも安心して活動できる環境をつくります。


また、転倒時の衝撃緩和にも芝生は効果的です。幼児や高齢者が多く利用する施設では、ケガのリスクを減らせる点が高く評価されています。さらに、芝生には粉じんの発生を抑える効果や、緑地としての癒し・憩いの空間づくりという側面もあり、利用者の満足度向上にもつながっています。グラウンドは単なる運動の場ではなく、地域のコミュニティ資産として見直されており、芝生化はその価値を高める手段として注目されているのです。




天然芝と人工芝、それぞれの特徴とグラウンド適性

芝生化を進める際、最初に直面するのが「天然芝と人工芝、どちらを選ぶべきか」という問題です。天然芝は見た目が自然で季節の変化も楽しめる反面、維持管理に手間がかかります。芝刈りや水やり、施肥、害虫対策が必要で、使用頻度の高いグラウンドでは芝の摩耗やハゲが早期に発生する可能性もあります。ただし、環境負荷が少なく、温度上昇の抑制効果も高いため、管理体制が整っていれば非常に魅力的な選択肢です。


一方、人工芝は施工後のメンテナンスが最小限で済みます。水やりや刈り込みは不要で、年間を通して美観を保ちやすく、雨上がりでもぬかるまず使用できます。また、一定のクッション性を備えたタイプもあり、転倒時のケガ防止にも貢献します。ただし、初期費用は天然芝より高くなる傾向があり、経年劣化により張替えが必要になる点も考慮が必要です。


選択のポイントは、利用者の年齢層や使用頻度、予算、管理体制の有無です。例えば、年間を通してスポーツ利用が多い施設では人工芝、地域住民の交流空間としての用途が主なら天然芝、といった具合に適性を見極めることが重要です。




芝生化に必要な準備・手順・コストの全体像

グラウンドの芝生化は、単に芝を張るだけの工事ではありません。まず行うべきは「地盤調査」です。排水性や土壌の状態を確認し、不陸(地面の凸凹)や水はけの悪さがある場合は、造成や改良工事が必要です。これを怠ると、芝が根付かず枯れたり、水たまりができて使用に支障をきたしたりといった問題が起こります。


そのうえで、芝の種類や人工芝のグレードを決定します。天然芝は季節や使用環境に合った芝種(例えば高麗芝、ティフトン芝など)を選びます。人工芝は用途(遊具下・運動場・園庭)によって、厚みやクッション性のあるタイプを使い分けることが多いです。


施工手順は、地盤整備、防草対策、排水処理、芝張り(人工芝は接着やピン止め)という流れが一般的です。天然芝は養生期間(根が張るまでの育成期間)を設ける必要があるため、使用開始までに時間がかかる場合もあります。


費用面では、一般に天然芝のほうが初期費用は抑えられますが、維持管理の手間とコストが継続的に発生します。人工芝は初期投資は高いものの、年間維持費が少なく済むため、トータルでの比較が重要です。導入前には、「初期費用・維持費・更新年数」の3点を整理し、数年スパンでのコストを見積もることが欠かせません。


学校・自治体での導入事例から見る「うまくいく条件」

芝生化の導入は、多くの学校や自治体で実際に進められていますが、成功のカギを握るのは「管理体制」と「設計段階の配慮」です。たとえば、ある小学校では天然芝を導入する際、保護者や地域住民による定期的な芝刈りボランティア体制を構築することで、美しい芝の維持を実現しています。このように、継続的に関われる人材がいるかどうかが、天然芝運用の成否を大きく左右します。


一方で、人的資源の確保が難しい施設では、人工芝の導入によって管理負担を軽減しています。特に運動量の多いグラウンドや部活動の活発な中学校・高校では、耐久性と景観維持の観点から人工芝が有効です。年間を通して安定した使用ができるため、利用計画も立てやすくなります。


設計段階での失敗もよくある落とし穴です。たとえば、排水設計が甘く、一部に水たまりが発生し芝が傷んでしまったケースもあります。こうしたトラブルを防ぐには、施工業者の選定も重要です。現場をしっかり調査し、グラウンドの傾斜や日照、使用頻度に応じた提案ができる業者を選ぶことが、成功の条件です。


「芝生化をしたいが、どこから手をつけていいか分からない」と感じている方は、まず専門業者に相談し、現場を確認してもらうところから始めてみてください。

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芝生化は、未来への投資。まずは無理のない第一歩から

グラウンドの芝生化は、単なる景観の改善ではなく、安全性や快適性、地域の価値を高める長期的な投資です。天然芝にも人工芝にもメリット・注意点があり、自分たちの施設環境や運用体制に合った選択をすることが何より重要です。芝を選ぶ前に、「どんな目的で芝生化するのか」「誰がどう維持していくのか」を明確にすることで、後悔のない整備が実現します。まずは情報収集から、そして信頼できる専門家への相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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