【学歴不問】その職歴、ムダじゃない!造園施工管理技士の受験資格「実務経験」の意外な落とし穴と認められる業務一覧

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「造園施工管理技士の資格を取りたいけれど、自分の学歴や今までの職歴で受験できるのだろうか」。そう考え、インターネットで情報を集め始めたものの、複雑な条件を前にして、ため息をついているかもしれません。特に「実務経験」という言葉は、人によって解釈が異なり、何が認められて何が認められないのか、はっきりしない部分が多くあります。


「畑違いの仕事をしてきたから無理だろう」「ただ現場で作業していただけだから、経験とは言えないかもしれない」。そんな風に、挑戦する前から諦めかけてしまうのは、非常にもったいないことです。あなたがこれまで積み重ねてきた時間は、決して無駄ではありません。一見、関係ないように思える経験の中に、資格取得への道筋が隠されていることもあります。


この資格の受験条件は、確かに少し複雑です。しかしそれは、多様な経歴を持つ人々に門戸を開くための仕組みでもあります。学歴や職歴というパズルのピースを正しく組み合わせれば、あなただけの最短ルートが見えてくるはずです。大切なのは、情報を正しく理解し、自分の現在地を正確に把握すること。この記事が、あなたのキャリアプランを描くための、最初の確かな一歩となることを願っています。




まずは全体像を把握する。造園施工管理技士の受験資格の仕組み

複雑に見える受験資格も、基本的な仕組みさえ理解すれば、自分の状況に当てはめて考えやすくなります。まずは大きな地図を広げるように、全体像を掴んでいきましょう。


造園施工管理技士には、主に1級と2級があります。大まかに言うと、2級は一般的な工事の主任技術者として、1級は大規模な工事をまとめる監理技術者として活躍するための資格です。当然、求められる実務経験も異なります。


受験資格は、基本的に「学歴」と「実務経験年数」の組み合わせで決まります。学歴によって、必要とされる実務経験の年数が変わる、と考えてください。以下に、2級を例とした一般的なパターンをまとめます。


学歴ごとに必要な実務経験年数(2級の例)


大学の指定学科を卒業した場合:1年以上の実務経験


短期大学や高等専門学校(5年制)の指定学科を卒業した場合:2年以上の実務経験


高校の指定学科を卒業した場合:3年以上の実務経験


上記以外の学歴(普通科高校卒、中学卒など)の場合:8年以上の実務経験


ここで言う「指定学科」とは、土木科や造園科、林業科など、国土交通省が定めた学科のことです。自分の卒業した学科が当てはまるか分からない場合は、試験を実施している「一般財団法人 全国建設研修センター」のウェブサイトで確認することができます。


また、2024年度からは制度が変わり、19歳以上(高校卒業程度)であれば誰でも受験できる3級の資格が新設されました。これは、特に若い世代が業界に入りやすくするためのもので、実務経験がなくても挑戦できる新しい入り口です。まずは3級からスタートし、基礎知識を身につけながら実務経験を積み、2級、1級へとステップアップしていくキャリアプランも描けるようになりました。




「私の場合」はどうなる?経歴パターン別の最短ルート

受験資格の全体像が見えてきたところで、次はより具体的に「自分の場合はどうなるのか」を考えていきましょう。ここでは、いくつかの経歴パターンを例に、資格取得までの道のりをシミュレーションします。



ケース1:異業種から、未経験で造園の世界に挑戦したい人


全くの未経験からスタートする場合、まずは実務経験を積むことが最初の目標になります。学歴にもよりますが、例えば普通科の高校を卒業した方であれば、2級の受験には8年以上の実務経験が必要です。少し長いと感じるかもしれませんが、焦る必要はありません。大切なのは、どのような会社で経験を積むかです。ただ木を切ったり植えたりするだけでなく、施工計画の作成補助や、現場の安全管理、工程管理といった「管理業務」に関われる環境を選ぶことが、将来の受験に直結します。入社時に「将来、施工管理技士の資格を取りたい」という意欲を伝え、そのような経験が積めるかどうかを確認することが重要です。



ケース2:造園業界で働いているが、学歴に自信がない人


例えば、中学や高校を卒業後、ずっと造園の現場で働いてきたという方は、その長い実務経験こそが最大の武器になります。必要な年数は8年と最も長くなりますが、これまで関わってきた工事の記録(工事名、工期、自分の立場や業務内容など)を丁寧に整理しておくことが大切です。これまで無我夢中で働いてきた経験の一つひとつが、あなたのキャリアを証明する大切な財産になります。自信を持って、これまでの道のりを振り返ってみましょう。



ケース3:建築や土木系の学校を卒業した人


大学や高校で「指定学科」を卒業した方は、資格取得への近道を進むことができます。例えば、指定学科の大学を卒業していれば、わずか1年の実務経験で2級の受験資格が得られます。これは大きなアドバンテージです。ただし、卒業しただけでは受験はできません。この1年の実務経験の質が問われます。学生時代の知識を現場でどう活かし、管理業務の経験を積んでいくか。明確な目的意識を持って仕事に取り組むことで、最短での資格取得が現実のものとなります。




意外と知らない「実務経験」の中身。その仕事、本当に認められますか?


受験資格のなかで、最も解釈が難しく、多くの人が悩むのが「実務経験」の定義です。単に造園の現場で働いていたというだけでは、認められないケースもあります。では、国が定める「実務経験」とは、具体的にどのような業務を指すのでしょうか。


国土交通省の指針によると、実務経験とは「造園工事の施工に直接的に関わる技術上のすべての職務経験」とされています。これには、実際に体を動かす作業だけでなく、頭を使う「管理」の仕事も含まれます。


実務経験として認められやすい業務の例


施工計画の作成や、その補助業務


現場での工程管理(スケジュール調整など)


資材の品質管理や、出来上がったものの品質確認


現場の安全管理(危険箇所のチェックや対策など)


重要なのは、工事全体の流れを理解し、品質や安全、スケジュールを管理する立場での経験です。たとえ見習いや補助という立場であっても、先輩の指示のもとでこれらの業務に関わっていれば、それは立派な実務経験となります。


実務経験として認められにくい業務の例


設計図の作成のみを行う設計業務


見積もり作成や契約のみを行う営業業務


請求書処理などの一般事務


現場への資材運搬や清掃、単純な作業のみ


これらの業務も会社にとっては不可欠ですが、資格試験で問われる「施工管理」の経験とは少し異なります。もし自分の仕事がどちらに当てはまるか不安な場合は、会社の上司や先輩に相談し、今後の業務で管理的な側面にも関わらせてもらえるよう、積極的に働きかけることが大切です。また、受験を申し込む際には、会社に実務経験証明書を発行してもらう必要があります。日頃から自分の業務内容を記録し、どのような工事にどう関わったのかを説明できるように準備しておくと、手続きがスムーズに進みます。




キャリアの近道は「環境選び」。資格取得を本気で応援してくれる会社とは


最短で資格を取得し、技術者として成長していくためには、個人の努力はもちろんですが、どのような環境に身を置くかが非常に重要になります。特に、未経験から挑戦する場合や、これまで管理業務にあまり関わってこなかった場合は、会社からのサポートがキャリアの成長角度を大きく左右します。


では、資格取得を本気で応援してくれる会社には、どのような特徴があるのでしょうか。


多くの優良な企業では、社員の成長を会社の成長と捉え、資格取得を積極的に支援する文化が根付いています。例えば、受験費用の補助や、試験前に研修を受けさせてくれる制度があるのは、その分かりやすい例です。しかし、本当に大切なのは、日々の業務の中に学びの機会がどれだけあるか、という点です。


具体的には、公共工事から民間の庭づくりまで、幅広い種類の現場を経験できる会社は、実務経験の幅を広げる上で非常に有利です。様々な現場を経験することで、施工管理の知識が机上の空論ではなく、生きた知恵として身につきます。また、経験豊富な先輩技術者がすぐそばにいて、分からないことを気軽に質問できたり、丁寧に指導してくれたりする環境も欠かせません。実務経験の証明でつまずかないよう、会社として書類作成に協力的な姿勢があるかも、見過ごせないポイントです。


このような環境は、ただ資格が取りやすいというだけでなく、資格取得後のキャリアアップにも直結します。多様な経験と確かな技術を身につけることが、結果的に市場価値の高い技術者への一番の近道となるのです。


どんな会社で経験を積むか、じっくり考えてみませんか。季鋏造園土木では、未経験からでも着実に成長できる環境をご用意しています。

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まとめ:受験資格の確認は、理想の未来を描くスタートライン


造園施工管理技士の受験資格について、その仕組みから経歴別の考え方、そして重要な「実務経験」の中身まで見てきました。複雑に思えた条件も、一つひとつ分解し、自分の状況と照らし合わせることで、進むべき道筋が見えてきたのではないでしょうか。


受験資格を確認する作業は、単なる手続きではありません。それは、あなたがこれまで歩んできた道のりを振り返り、これからどのような技術者になりたいのか、理想の未来を描くための大切なスタートラインです。自分の経験が認められると分かれば自信になりますし、もし足りない部分が見つかれば、それが次の明確な目標になります。


資格は、取得することがゴールではありません。その先にある、より大きなやりがいや責任、そして豊かなキャリアを築くための強力なパスポートです。だからこそ、そのパスポートを手に入れるまでの道のりを、誰と、どのような環境で歩むのかが重要になります。


あなたのこれまでの経験は、決して無駄ではありません。その価値を正しく理解し、未来への一歩を踏み出してください。その先に、新しい景色が広がっているはずです。


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